メンバーや他部署との間に壁がない、ロケーションのいい組織を作りたい
自分が楽しむからこそ人が楽しいと感じるツボがわかる

ぴあに入社後、まずはチケットぴあのシステム開発を担当しました。PdMになってからはプロダクト全体に目を配るようになり、そこからチケットぴあ並びにファンクラブなど運営する部門を担当。そして事業戦略を立てる立場になり、今はチケット販売の周辺事業を担当しています。
ぴあの魅力は、“仕事自体がエンタメで、仕事の進め方もエンタメ”だということです。よくも悪くも、仕事とプライベートの境目がありません。
たとえば、プライベートでコンサートに足を運んだ時、公演を楽しそうにしているお客様を見て、どうすればもっと楽しんでもらえるかを考えている。そして、気づけばそれが仕事になっています。
お客様に楽しんでもらうためには、まずは自分が楽しまないとダメだと思っています。自分が楽しんでいるからこそ人が楽しいと感じるツボがわかり、それを仕事に反映できるもの。これはシステム部門に在籍する社員にも必要なことだと考えています。
私も時折、公演に足を運び、お客様の様子を見るようにしています。これはもはや仕事なのかプライベートなのかわからない感じですが、そのあいまいなところがエンタテインメント業界の良さであり、ぴあの文化なのかなと思っています。
コロナ禍を機に非接触認証での入場システムを導入
こんなことを話していますが、実は数年前まで私はまったく公演に足を運びませんでした。考えが変わったのは2020年。コロナ禍が始まったときでした。
緊急事態宣言が発令されてすべてのエンタテインメントがストップした時、私は「動きが復活した時には検温や顔認証など “非接触での入場”が必須になる」と直感しました。そしてその年の6月頃から動き始めました。
私が考えていた入場方式ができることになったら、検温と非接触入場を一連の流れでできるから運営の負担が大幅に減ることになる。まだどこもやっていない入場方法だから、必要になるのは間違いない。コロナ禍が終わるまでの一時的な扱いの商品になるかもしれないが、やる価値は十分あるという考えに至りました。
この入場方式をお取引先様に採択いただき、電子チケットを運営する会社様のご協力のもと仕組みを連携し、2021年1月の公演で検温システムを導入するところまでこぎつけました。
コンサート当日は、私も会場に立ち会いました。ソーシャルディスタンスが叫ばれていたタイミングだったので客席が間引いた形になったものの、入場運営がうまくいっているのを見て安心しました。そして、コンサートを楽しんでいるお客様を見て、やってよかったと感じました。
これ以降、私も定期的に公演へ足を運ぶようになったのです。

システム開発はお客様と感覚が近い人にやってもらうべき

エンタテインメントのチケットを販売するシステムは、お客様に煩わしさを感じさせないことが重要になります。購入時はもちろん、入場時もストレスを感じさせないことが重要で、このようなシステムを開発することが我々の義務だと考えています。
お客様が求めるものは常に変化しています。我々は常に利便性を上げるためのアップデートを行わないと、お客様は徐々に離れてしまいます。
お客様はぴあのどんなところに不満を感じ、どんなサービスを求めているのか。それを知るためには、現場に立ち会うお客様と接点がある営業担当者から現場で実際に起きていることをヒアリングしたり、問い合わせのあったお客様の声をベースにしながら、定量・定性的に何が必要かを考えます。
システムをどう開発・改修していくかは、私が考えるよりも若い人たちにどんどん意見を出してもらうようにしていきたいと思っています。なぜなら、どういうシステムがお客様にとって便利で快適かという問いに対する答えは存在しないからです。
だからこそ常に新しいものに手を出していくべきだし、よりお客様に感覚が近い人たちにやってもらうことを心がけて、これからも販売システムをより便利なものにアップデートさせていくつもりです。
チャレンジ精神があってこそのエンタテインメント
ぴあで動かしているシステムには、現在でもさまざまな課題があると考えています。それを解決するためにシステム会社の協力を得ながら課題を解决してきました。
一方で、この方法には弱点があります。もっとも大きな弱点は、システム会社の内部で人の入れ替わりが頻繁にあり、担当者が変わるたびに蓄積された知見がリセットされることです。
今回、システム開発を推進する組織を内製化することで、解決していきたいと考えています。
もちろん、内製化しても、人の入れ替わりはあるはずですが、組織の中から推進のコアとなるメンバーが生まれ、彼らの意志が新しいメンバーに伝達されれば、ぴあが目指す利便性は継続できると思っています。
VUCAとも言われる現代は、いつ、何が起こるかわかりません。世の中もどんどん変わっていくはずですが、変化はある日急激に訪れるのではなく、数年経った時に変わったことに気づくようなスピード感だと思っています。
だからこそ我々は数年先を見据えてシステムを開発していく必要があります。でも我々が思っていたものとは違う形で世の中が変化して、せっかく作ったシステムがまったく使われなかったということもあるでしょう。
でも当たり外れを受け入れて、すべての方向に向かっていけばいい。チャレンジ精神があってこそのエンタテインメントなのですから。

立場やスキルを活かしつつ、それをアップデートできる環境を作る

今回新たに作る組織では、北海道オフィスを立ち上げたいと考えています。働き方が多様化する現代社会だからこそ、働く場所も社員が選べるような組織が理想的な姿です。北海道はUターン・Iターンを希望する人が多い場所です。
まずは北海道に拠点を作り、今回のエンジニア採用をきっかけに、ぴあが今までやってこなかったようなことにもチャレンジしていきたいですね。
様々な役割をもった人間が、事業として達成すべき一つのゴールに向かい、新しいメンバーが自分の立場やスキルを活かしつつ、それを常にアップデートしていけるようなチームを作りたいと思っています。
そのためには、スキルを含めていろいろな個性を持った人が集まっていただけたら嬉しいです。エンタテインメントに携わる仕事だからこそ、私は仕事をとことん楽しみたいと考えています。常に楽しんでいれば、仮に何かで失敗したとしてもそれに費やした時間は無駄にはなりません。
個々人が楽しみながら仕事をし、それが会社の利益にも繋がる。そして他部署との関係性を含めて壁がないロケーションのいい状態にする。そんな組織を作るのが私の役割です。